就活THINKROOM
  • HOME
  • Blog
  • About
  • HOME
  • Blog
  • About
画像

"長期目標"や"ビジョン"って、必要ですか?

5/21/2020

0 コメント

 

記事を読んで頂く前に、最初に申し上げておきます。今回書く事は私の極めて個人的な考え方ですので、あくまでこういった考え方もあるんだな、という気持ちで読んで頂ければと思います。この考え方が絶対的に正しいのだ、と言うつもりは一切ありませんので、そのつもりでお願いします(笑) SU

10年後、20年後のビジョンを教えてください。―――就活をしていると、こういった長期的なビジョンについて聞かれることがありますよね。
ある意味キャリア形成を考える上では長期目標やビジョンは持っていて当たり前、かの様な風潮が世の中にはあります。その背景には、世の中では近頃逆算思考型(ゴール設定)の人生設計が主流となっているという背景があります。多くの方はこれについて異議を唱える事も無いくらいに、世の中には逆算思考型の考え方が広く受け容れられています。ただ私個人的には、この人生設計の方法に対して幾ばくか懐疑的なスタンスで、私自身長期目標やビジョンといったものは持たない様にしています。こういった人生設計の方法はあくまで、多様なアプローチのうちの一つの人生観に過ぎないものであり、ベースとしているその人生観が正しいかどうかについては、特にこのご時世において、議論の余地があると私は考えています。以下に詳しく解説していきます。

逆算型だけが人生設計ではない

上で述べた通り、世の中では逆算思考型の考え方が広く受け容れられています。逆算思考に関する書籍が多く出版され、「ライフハック」の一つとして持て囃されている時代になっています。確かに逆算思考というアプローチは、人生設計のみならず様々な事柄に対して適用のできる非常に便利な考え方です。その点について、私は完全に同意見です。行き当たりばったりではなく、設定したゴールに向けて踏まなければいけないステップにbreak downしていき、細かい行動に落とし込んでいく、という事はゴール達成の実現性を高める上でに非常に有効な手段です。ビジネスの場においても、会社として予算を設定し、その予算から逆算し予算達成に必要な施策や行動を取っていくのが普通のやり方です。

一方で、先ほど「行き当たりばったり」という表現をしましたが、これは基本的にはネガティブな文脈で使われる事の多い言葉で、「先々の事を何も考えていない」という、思考不足や準備不足に対する批判のニュアンスが込められていますね。但し、意図的にそうしている場合はどうでしょうか?ーーーどういう事かと言いますと、先々の事を「敢えて」考えずに、今目の前の事に向き合って生きていくというものです。これを逆算思考という先ほどの呼び方に対して、積上げ思考型の人生設計、と一般的には呼ぶそうです。個人的に私は逆算型か、積上げ型かと言われれば、「どちらかと言うと」この積上げ型の方がしっくりくると感じており、是非皆さんには、世の中には逆算思考型だけでなく積上げ思考型という人生設計もある、という事について一度考えて頂ければと思います。

世の中はますます「逆算」ができない時代になっている

話を進めるにあたり、そもそも「現在」の人の在り方がどの様に定義されるのかという事に関して私の持っているイメージをご紹介するのが理解しやすいかと思いますので、以下にイメージ図を示します。
画像過去-現在-未来(イメージ)
図の通り、人は過去と未来の狭間で現在を生きており、現在の自分は、過去の体験や自分の在り方に繋ぎ留められつつ、同時に未来に対して自らが持っている志向や方向性にも繋ぎ留められているという状態と私は理解しています。「未来に対して自らが持っている志向や方向性にも繋ぎ留められている」というのが意味が少し分かりづらいかと思いますが、言い換えれば、これは自分の向かいたい方向や目標・志向によって、自分の今の在り方が影響を受けているというものです。例えば、将来海外で働きたいと考えている人がバリバリ国内志向の企業を志望する事は無いですよね、そういった話です。

だとした時に、将来の目標・志向を持つ事で、今の自分の在り方が限定されてくるという事も言えます。これにはメリットもあればデメリットもあると思います。メリットとしては、今やるべきことがより具体化されるという点があります。今自分がしている事に対して目的意識が持てる様になるので、モチベーションの向上や、人生において確かな成果を残せる可能性が高まる事が期待できます。一方でデメリットは、異なる方向性への可能性に対して閉じた状態になるという点です。自らの可能性は広く持っておくことで、柔軟に適応して生きていく事ができるのも事実です。

そして私は今ほど挙げた「柔軟に適応して生きていく」という力が、近年ますます重要性が増していると考えています。その理由は、現在世間はますます不確実性が増していく方向に向かっているからです。スマートフォンが普及した事で、人々が日々触れる情報の量はますます増えており、さらにSNSなど媒体の乱立により、そういった大量の情報が流れる速度は加速し、しかも情報が届く広さもより拡大しています。高次元的に情報が膨張する中で、当然ながらそういった大量の情報は人間の意思決定に影響を与える事になります。つまり世の中、もっと言えば一人一人の人間が速く大量に流れてくる情報に対して意思決定を迫られるわけです。情報を得ても何もしない(例えばSNSの画面を流し読みしながらスクロールする、という様な行為)という事も多くありますが、それは「無視する」という一つの意思決定を取っているわけで、情報をまずはインプットしなければ「無視する」という意思決定すら取れないですね
。この様に、人々が得た情報に対して都度数々の意思決定が行っていると考えれば、人によって意思決定がなされるスピードと量というのは情報の膨張に合わせてこれも増えているという事になり、結果的に数々の人の集合体としての世の中が動いていく速さはこれもまた速くなるわけです。

世の中が速く動けば動くほど、当然ながらその動きに対しての新たな動きも出てくる事になるので、世の中全体の流れはより速く、より簡単に変わる様になり、つまり世の中の最小単位であるいち個人にとっては世の中全体の先々を見通す事はますます難しくなるということが言えます。そして世の中全体の流れが変われば、当然ながらその中で生活する一個人もその流れに影響を受けずにはいられない為、自分自身の先々を見通す事もまた難しくなるはずです。世の中(=自分自身ではコントロールし得ないもの)の中で生きている個人にとっては、この時代は自分の未来の在り方を見通すのが難しい。結果として、自分の10年後、20年後を見通すことはほぼ不可能になります。今や、5年後、もっと言えば2-3年後の自分すら見通すのは至難の業と言えるかもしれません。これが、私は逆算型の人生設計を支持しない一つの理由です。簡単に言えば、「先のことなんて、分かるわけがない」という考え方です。分からないものをいくら考えても仕方がない、というのが私個人のポリシー(と言うほど大したものじゃないですが)なので、結果的には私は、先々のビジョンなんて持つ意味ありますか?という考え方をしているわけです。

"積上げ型"と"逆算型"のいいとこどり="PDCA"型

ここまであたかも”逆算型”を全否定する様な書き方をしてきましたが、実は私は逆算型の全てを否定しているわけではありません。先に申し上げた通り、「どちらかと言えば」”積上げ型”の考えに近いのですが、”逆算型”のいいところも取り入れたい、要は”積上げ型”と”逆算型”のいいとこどりをしたい、というのが私の考えです。どういう事かと言いますと、目先の目標や方向性は持っておきつつ(逆算型)、都度都度で目標をレビュー・更新しながら生きていきたいというものです。私はこういった人生設計を”PDCA型”と(勝手に)名付けています。

目先の目標や方向性を持つことを支持する理由は、やはり今現在の自分の行動に目的や意義を持たせる必要があると考えるからです。ここは人の原動力となる気力・モチベーション・自信に関わる話であり、不可欠であると考えています。目標や方向性といっても、あまり難しく考えずに「今やりたい事」「今興味・関心がある事」「今エネルギーや時間を注ぎたいもの」をといったニュアンスのものでも良いと思います。キャリア(仕事=お金を稼ぐ)という文脈で考えるならば、今現在興味の持てる仕事・稼ぎ方に着目して、その延長線としてまずこれをしたい、こうなりたいという目先の方向性を決めてしまうということです。「目先」の時間軸が人によっては数か月で会ったり、半年であったり、一年であったり、数年であったりするかもしれませんが、いずれにしても自分自信がある程度見通すことができると考える範囲まで目線を広げて、そこから逆算して今やるべき事に掘り下げて行動していくというものです。ここでは当然ながら、10年後、20年後先の話には目を向けません。

この様に短期的(ミクロ)には逆算型の考えを採用しつつも、長期的(マクロ)には都度自分の現在位置を踏まえてそこから手の届く範囲まで手を伸ばし続けて歩んでいくという点が「積上げ型」の考え方を採用している点になります。結果的には、全体的に短期的なPDCAを回し続ける様な形になるので、”PDCA型”の人生設計、と呼んでいるわけです。これこそが、今の時代に合わせてアップデートされた人生設計・キャリア形成の考え方であり、私は現在の”逆算型”主流の時代に対して提案したい考えです。


ただそれは理解するものの、就活の面接の場で実際に企業から聞かれたらどうするんだ、「長期的なビジョンなんて無い」と答えると心象が悪いのでは?と思われる方もいると思いますが、それは伝え方次第だと思っており、ここまで説明した様な内容やその意図が正しく理解されれば、その考えに違和感を持たれることはないはずです(と信じています)。面倒や手間を避けてその場しのぎで取り敢えずで答えるのも一つですが、自分の考えや本音を伝える事も重要な事なので、そこは皆さんご自身がどう考えるかの問題となってきます。この記事が自分のキャリアについてどういう枠組みで見るのかを考える、一つのキッカケになればと思います。

SU
0 コメント



返信を残す

    画像
    SU(スー)
    関西生まれ。都内私立大卒。大学時代に留学経験あり。
    2014年に某商社入社。
    ​現在海外駐在中。

    アーカイブ

    6 月 2020
    5 月 2020
    4 月 2020
    3 月 2020

    カテゴリ

    すべて
    キャリア
    エントリーシート
    エントリーシート
    その他

    RSS フィード

© COPYRIGHT 就活THINKROOM 2020.
ALL RIGHTS RESERVED.