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商社で求められる「人間力」の意味とは?

3/12/2020

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商社を志望する学生さんの中には、「人間力で勝負したい」という方が多くいらっしゃいます。"人間力"、"個の力"、こういった言葉をよく耳にしますが、改めて商社に入社して業務を始めてみてから考えてみると、少し就活で使われている意味合いと違うのでは?と考える事もあり、私の思う「人間力」とは何か、という事について少し述べさせて頂こうと思います。

「人間力」は"能力"でもなければ、"人間性"でもない。

「人間力」と聞くと、論理力や行動力やコミュニケーション能力などといった類の"能力"や"スキル"の様に聞こえます。商社で活躍する人というのは、何かの能力やスキルを備えていて、それを生かして仕事をしていると、そんなイメージを持ちがちです。もしくは"人間性"に近いものだ、という考え方もよく聞きます。その人が持つ人間性を活かすことで商社で活躍できているのだと。しかし私は、商社マンに必要とされている「人間力」とは、私はそういった類のものではないと考えています。

もし仮に、商社で働くには何かしらの"能力や”スキル”が必要である、もしくは商社ビジネスに適した"人間性"を兼ね備えた人たちが商社で活躍できるのだとすれば、その能力や人間性を特定すれば商社に向いている人材なのかどうかが分かるという事になりますが、実際には商社で働いている人は様々な強みを持った様々なキャラクターの人間がいて、彼らに共通しているのが何なのかを特定する事は非常に難しいのです。〇〇の様な人間が活躍しているかと思えば、一方でかなりタイプの違う△△なタイプの人間が活躍していたりもする。

また、例えば商社は飲み会が多そうなイメージ、だとすれば飲み会の場で一発芸ができる人間を求めているのか?そうでもありません。昔はそういう時代もあったかもしれませんが、飲み会で仕事が取れる様な時代はとっくの昔に終わっていますし、逆にカリスマ芸人であれば商社マンとして活躍できるのか?と言うと、そうではないはずです。
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では何なのか、という話ですが、私はそもそも商社で活躍する為に必要なのは、人に内在する様な「特性」ではないと思います。結論から言ってしまうと、いわゆるこういった文脈で語られる「人間力」とは、「相手から協力を引き出す為のベース(基盤)」だと私は思います。商社というのは会社の立場や事業の性質上、多くの関係者と携わりながら仕事をします。その中で関係者ごとの利害関係、立場、考え方、方向性というのは様々であり、商社の人間はそれらの関係者と意思疎通を取り、各方面から協力を得ながら、適切な方向に導いていく事が必要ですが、そこで例えば、コミュニケーション能力があればどうにかなるのか?論理力があればどうにかなるのか?人間性があればどうにかなるのか?私はそういう話ではないと思います。

そもそもどんなに優秀な商社マンであっても、新しくこの会社と、この人とビジネスをやってくださいと指示されて、すぐにビジネスを創ってこれる人間というのはそうそう居ません。何故かというと、そこにはそもそもの相手との信頼関係のベースが無いからです。先ほど申し上げた通り、様々な関係者を説得してようやく、商社のビジネスは成立します。また、関係者と言っても、同じ会社で複数の関係者がいる状況も少なくなく、同じ客先の複数の部門に跨って会話する事もあります。その際、部門によって利害関係が異なり、時には(特に縦割り色の強い会社で多いパターンですが)部門同士がそもそも揉めていたり、関係が良くないなどの理由で踏ん詰まるケースもあります。これをどのようにマネージしていくのか?

結局はその人自身が個々の関係者と信頼関係を築いていくしかありません。人なので当然相性であり、好き嫌いも生じ得るものではありますが、どの様な相手でも信頼を得られるまでしっかりと会話を重ねる事が必要です。会話と言っても、簡単に喋ってくれる人もいれば、そうでない人もいます。相手に話してもらうためには、自分自身の考え方や思い(当然ながら思いの無い相手に対しては誰も積極的に協力しようとは思いませんね)なども適切に伝える、つまり何でもかんでも教えて、ばかりでなく、キャッチボールの関係でなければならず、そういった意味では自分自身にもある程度の引き出しがある事が前提になります(その意味で自分自身が、周辺情報や話のネタなど、引き出しを持っておく事は大事)が、会話する中で、相手の価値観、考え方、重視するポイントなどが段々と分かってきます。この人が本当に引っ掛かっているポイントがここだったのか、という事に気付くことができ、そうすればあとはそういったポイントを解決するために各所と調整して、また会話する、という繰り返しです。相手も課題に感じていた事を取り除こうと努めてくれる相手に対しては真剣に向き合おうとするはずで、少しずつでも確実に前に進む事ができます。

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信頼を得るプロセスというのは、長い時間を要する事も多いですが、逆に関係者との会話の量が多ければある程度自分の事も分かってもらえる為、その分ベースは強固になります。そして最終的にそういった地道な「行動」を続けた先に、商社のビジネスは成立するはずなのです。今申し上げたプロセスは、特定の"能力"や"スキル"、"人間性"を持った人間の専売特許なのか?私はそうではないと考えます。ただ一つ確かなことは、仕事の上で「行動」する事は明らかに必要であり、行動を伴わずにはまず商社としての仕事はできないという事です。但し「行動力」だけでカバーできるものでもありませんね。しっかり会話をして信頼関係を築けなければ何も意味がありません。ゆえに、必要となる行動さえ起こしていれば、そこからどういった形で関係者との信頼関係を築くかはその人次第とも言えます。ここにその人の"色"や"個性"が出るのであり、そういいた"色"や"個性"の一部が、その人の"能力"であったり”スキル”、"人間性"ということなのかと思います。

まとめ

商社で仕事をする上で必要なのは、「相手から協力を引き出す為のベース(基盤)=信頼関係」。そして信頼関係の築き方は、会話という「行動」を伴う形である限り、人それぞれの「色」「個性」「人間性」によって異なる。
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    SU(スー)
    関西生まれ。都内私立大卒。大学時代に留学経験あり。
    2014年に某商社入社。
    ​現在海外駐在中。

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